メンバーの音の連鎖反応によってここにダイナミズムの融合が生まれた。
しかもそのダイナミズムは真ん中に図太い芯がある。
これからのアジカンのバンドとしての覚悟を感じることができたアルバム。
まだまだこのバンドは上に行ける。
王道を登っていける。
だんだん真の姿を表してきて真っ直ぐでソリッドなロックを鳴らし始めた。
「ソルファ」には前回のアルバムにないものがある。
それはバンドの繋がりが深くなったことだ。
音が一つ一つ主張しながらも信頼という一つの枠からはみ出すことなく鳴っている。
ミディアムテンポが大半を占める今回のアルバムは自己表現よりは聞かせる事を意識している。
「君繋」の時は自己表現で精一杯だった彼等。
バンドとしての機能がフル回転しているようでとてもストイックだ。
この一年でアジカンどう変化したのだろう?
アジカンの名を知らしめたメジャーファーストアルバム「君繋ファイブエム」から一年。
「サイレン」「ループループ」「リライト」「君の街まで」に至るまで彼等の創る楽曲にどんな変化があったのか。
リリースされたシングル4曲から分かるアジカンの精神状態は実に様々であったことが歌詞から読み取れてしまう。
「サイレン」

千年先は思い描けないけど
一寸先を刻むことで始まる僅かな願い

確実に一歩ずつ歩みを進めようとしているメジャーでの確かな思いを感じさせた。
でも息ぐるしさ、もどかしさがある、何か迷いのようなそんな後味を残した。

「ループループ」

僕が描いたその影でその未来は霞んでしまった?

答えを見つけることができない状態が続いているのだろう。はっきりしない濁った後味はまだ消えそうにない。
「リライト」

軋んだ思いを吐き出したいのは 存在の証明が他にないから

掴んだはずの僕の未来は尊厳と自由で矛盾してるよ
君を成す言動力 全身全霊をくれよ

リライトのこの言葉からわかる葛藤。
彼等は日本を揺るがすまでにデカくなったし、自分の音楽ができる環境は良くなったはすだ。
しかし成功と比例してのしかかる周りの期待でいつのまにか自分達では手に負えないくらい大きくなった重圧。
そんな新たに生まれた苦みを吐き出している。
まだ解決策は見つかっていないようで、混沌とした迷い森で姿の見えない闇に追われている必死さが伝わってくる。

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